木質バイオマス熱利用を面的に行おうとする場合の検討のあり方

木質バイオマス熱利用を効率的導入しようとする場合には、地域で面的に複数の導入を図っていくことも検討することが必要です。面的導入により燃料供給や熱供給施設の運営等に関する地域の知見が向上しますし、それらの担い手、体制が整備されることにもつながります。
面的導入については、個々の施設に一つ一つのシステムを導入するとしてもその運営管理はまとめて一事業体が行う形式や需要先をつなぎ複数の需要先に一つの熱供給施設から熱供給を行う形式(地域熱供給形式)があります。

また、その場合の担い手としては、北海道下川町のように市町村が主導して行うものや福井県あわら市の事例のように熱供給会社がまとめ役を担うものがあります。
面的導入の進める場合の事業構想の作成については、地域の熱需要の全体的把握を行い、その中でどこに木質バイオマス熱利用施設を導入すべきかを戦略的に検討することが必要です。また、それらの導入先に対してどのような燃料をどう供給するかが検討されなければなりません。

さらに、そのような全体構想の中で、事業性がどのようになるかも判断していかなければなりません。また、この場合は、関係者がより多くなることから、関係者の合意形成をどうするかについて個別導入の場合以上に意を用いていくことが必要です。

ただし、今後のあり方として、個々の施設に個々に導入するだけでなく地域として全体的に考えていくことは、燃料の継続的安定的な供給、木質バイオマス熱利用施設の効率的な運営、事業としての安定性の確保、そのための専門家の養成等からすれば極めて重要です。

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