事業の流れ

木質バイオマス
熱利用の特徴と意義

木質バイオマス熱利用は
その特徴に即したあり方にしていく必要性が高くなっています。
また、ゼロカーボンが指向される中では、
これまでの化石ボイラーを切り替え
木質バイオマスボイラー等が主要な役割を果たしていく必要があり、
その効率的な運用が一層求められています。

事業の計画・実行

木質バイオマス熱利用は、熱需要の実態や使用する燃料に即したシステムを作り上げることが必要です。熱需要については、ピーク負荷だけでなく、変動の実態を把握しなければなりませんし、燃料については、地域内で安定的に供給可能な量に加え、どのような品質の燃料が確保できるかを確認することが必要です。一度設置すれば20年以上の長期にわたり事業を継続していく必要があり、事業性についても慎重な検討が必要です。さらに、地域住民も含め事業に関係する者も多く、それらの者の合意形成が重要となります。

そのため、事業計画の作成段階でできるだけ詳細に検討しておくことが求められます。事業コンセプトを整理し、大まかな実現可能性を検討する事業構想の段階から、FS調査、基本設計の段階を経て、実施設計を行います。このことから、事業の発案から事業計画の段階で2~3年程度の時間をかけることが一般的です。

実施設計に基づき発注、施工を行うことになります。施工が終了した段階では、試運転を適切に行うことが重要です。当該システムが効率的に長期間運営されていくためには、維持管理・メンテナンスが大きく影響します。

以上のような事業の計画・実行における留意事項を理解して進めていただくことが必要です。

事業を検討する

ここでは、効果的かつ効率的な
木質バイオマス熱利用の事業計画を作成するための手順を紹介しています。

STEP.1 事業構想

STEP.1 事業構想

事業を発意した段階で、事業コンセプトを整理するとともに、実施の可否を大まかに判断します。事業コンセプトの明確化と事業着手の妥当性を検討する事業構想については、コンサルタントやメーカー任せにすることなく、できるだけ事業者自らが作成することが重要です。

  • 1
    事業目的の確認
  • 2
    地域の設定・実態把握
  • 3
    運営事業体の確認
  • 4
    導入予定施設の熱需要量の把握と導入すべきボイラーの規模
  • 5
    燃料の確保
  • 6
    収支の試算
  • 7
    事業構想案の作成
  • 8
    都道府県、市町村等関係行政機関や専門家等の意見把握
  • 9
    事業実施可否の判断
  • 10
    FS調査の実施へ
  • 11
    木質バイオマス熱利用を面的に行おうとする場合の検討のあり方
STEP.2 FS調査

STEP.2 FS調査

事業構想にて実施しうる可能性があるとされた場合には、FS調査を行います。FS調査では、専門的な知見を有する者が、事業実施に係る必要事項を詳細に調査し、事業実施の可否について判断します。FS調査を実施する工程は、必ずしも必要なものではなく、すでに事業化を行う条件等が十分に確定していれば、基本設計から取りかかるプロジェクトもあります。

  • 1
    FS調査の位置づけと実施事項
  • 2
    事業コンセプトの確認・評価
  • 3
    熱需要の把握と特徴分析
  • 4
    エネルギー変換技術の検討と選定
  • 5
    木質バイオマス燃料の調達可能性調査
  • 6
    事業用地等の条件把握
  • 7
    事業収支試算と事業性評価
  • 8
    地域住民・関係者への事前確認
STEP.3 基本設計

STEP.3 基本設計

FS調査により実施が可能と判断されたものについて、設備等の内容を整理し、事業の具体的内容を明らかにします。

  • 1
    基本設計の内容と留意点
  • 2
    ボイラーシステムの新しい考え方
  • 3
    ボイラーの選択と熱負荷分析
  • 4
    設備仕様の検討、施設、設備の配置計画の検討
  • 5
    二次需要先における設備と配管
  • 6
    コスト分析
  • 7
    関連法令の確認、資金調達、事業化スケジュールの作成
STEP.4 実施設計

STEP.4 実施設計

基本設計に基づき、それぞれの設備について具体的な設計を行います。

STEP.5 事業の発注・着手

STEP.5 事業の発注・着手

発注が必要となるのは、計画設計工程と工事施工工程です。発注の仕方は、民間と市町村等公共機関では大きく異なり、公共期間では、法令に定められたルールに従って手続きが進められます。

STEP.6 施工・試運転

STEP.6 施工・試運転

木質バイオマスプラントを導入する場合に必要となる図面や工程、安全管理については基本的に一般の設備工事と違いはありません。しかしながら、燃料供給装置などの通常の設備工事と異なる部分については、搬入方法や設置方法に気を付ける必要があるため、施工者にはメーカー又は施工経験のある事業者を選任することが望まれます。

STEP.7 維持管理・メンテナンス

STEP.7 維持管理・メンテナンス

適切な維持管理・メンテナンスの実施は、円滑な運転の確保のみならず、コスト削減にも大きく関与します。一方では、点検、清掃等のための運転停止は、稼働率やバイオマス依存率を下げ、事業性を悪化させることもあります。そのため、メンテナンスの内容、頻度を良く確認して計画することが重要であるとともに、実施のタイミングについても運転への影響を配慮して行うことが望まれます。

PLATFORM

各プラットフォームについて