木質バイオマスボイラーの有圧ボイラーと無圧温水機の使い方の違いは?

日本の有圧ボイラーは法的規制が厳しいため、従来、木質バイオマス温水ボイラーの多くが無圧温水機として使用されてきました。無圧温水機の缶水には圧力が掛からず安全であるため、法的規制が緩やかですが、通常、循環ポンプと熱交換器が必要です。欧州において木質バイオマスボイラーが普及している理由として、木質燃料の緩慢な燃焼反応を蓄熱タンクがカバーしてうまく安定した温水を供給していることが挙げられます。ところが、熱交換器がある場合、うまく工夫しないと蓄熱タンクの還り温度をうまく制御できません。

2022年に、有圧温水ボイラーの規制(厚生労働省の労働安全衛生法施行令)が緩和されたことにより、伝熱面積32㎡以下で圧力が0.6MPa以下の木質バイオマスボイラーは簡易ボイラーとして使用できるようになりました。この規制緩和により、約500kW以下のボイラーが蓄熱タンクと直結できるようになり、日本でも欧州と同じように使用できるようになりました。(令和4年2月18日基発0218号2号