蓄熱タンクが無いボイラーの運転はどうなりますか。

木質バイオマスボイラーに接続される温水負荷は通常一定でなく、変動します。熱負荷が、ボイラー定格出力の30~100%の範囲で緩やかに変化する際は、ボイラーがその変化に追従して連続運転可能ですが、その範囲を超えるとボイラーは発停を繰り返す運転になってしまいます。バイオマスボイラーの運転開始時は温度上昇に時間がかかるため温水温度の低下を招き、燃焼停止にも時間がかかるため残火で温水温度の過熱が起こります。また、運転停止時にはドラフトによるドラフトクーリングロスが発生するため、ボイラー運転効率が低下します。この理由は、ボイラーの外側は断熱保温されていますが、内部の伝熱面は断熱がないため、燃焼停止時に燃焼ガスの流れ(ドラフト)により、煙突から熱損失として大気に熱が放出されてしまうためです。

一般的に、蓄熱タンクの容量はボイラー出力kWあたり25~40lit/kWで計算されます。なお、スイスの大気汚染防止法では、25lit/kW以上の蓄熱タンクを設備するよう定められています。