施工・試運転
施工に当たっては、関係する業者等の連携がとられることが必要です。
そのため、設計図書をそれぞれの者が十分に確認しているようにするとともに、総合工程表を作成することが必要です。
総合工程表は、進捗にあわせ適宜必要な工程を追加する等、見直しをしていきます。
また、事業者(発注者)としても、時には進捗管理を行い、工事の順序が合理的に進められているか、あるいは設計と異なる実施がされていないか等を確認し対応することが望まれます。
特に、外国製の輸入製品については納期が変更されることもあり、確認を徹底しておくことが必要です。
工程表の例
木質バイオマス熱利用(温水)計画実施マニュアル 実行編 図16-1より
木質バイオマスボイラーシステムにおいては、試運転を適切に行っていくことが必要です。システムとしてパッケージ化されていない部分が多く、それぞれに業者によって施工されることからシステムとして円滑に稼働するかを確認することが重要です。
特に、燃料の投入、搬送、燃焼については、トラブルの発生につながることが多く、燃料の品質(形状、大きさ、水分)がボイラーの求めるものに合致しているかを確認し、念入りに試運転を行うことが必要です。
正常な運転が確保された段階でそれぞれの数値を計測するとともに、機器等に異常がないかを確認します。試運転が終了し、完成検査も完了して発注者への引き渡しが行われます。その後、問題が起こると責任の所在が曖昧になる可能性もあり、試運転は慎重に行うべきです。
試運転完了項目
項目 | 確認 | 内容 |
---|---|---|
電源 | 各スイッチ及び表示灯 | 正常に作動したか |
警報装置 | 正常に作動したか | |
配管 | 水漏れ | 目視確認 |
空気抜 | 空気の滞留がないか | |
振動・異音 | 異常がないか | |
ストレーナー | 清掃、点検し異物除去をする | |
圧力 | 正常範囲か | |
循環 | 水不凍液、防錆剤 | 設計仕様どおりか |
ボイラー | 性能 | 所定の性能がでているか |
保安装置 | 正常に作動したか | |
補助熱源 | 正常に連携できたか | |
熱供給先(給湯、暖房等) | 設計仕様どおりの数値がでているか | |
ポンプ | 回転方向 | 流れ方向は正しいか |
エア抜き | エアの残留はないか | |
流量設計 | 仕様どおりの数値がでているか | |
異音、騒音 | 異常はないか | |
電流値 | 正常の範囲内か | |
搬送機器 | 性能 | 所定の性能がでているか |
保安装置 | 正常に作動したか | |
異音、異臭 | 異常はないか | |
燃料 | 燃料規格 | 適合した規格で正しい性能がでているか |
サイロ | 設計仕様どおりの燃料充填ができるか |