事業の発注・着手
発注については、計画設計工程と工事施工工程があります。計画設計工程は、FS調査、基本設計の作成、実施設計の作成であり、コンサルタントや設計事務所のほか、ボイラーメーカーによって担われる場合もあります。工事施工工程は、ボイラーシステムの設置、建屋等の建設、配管工事、電気工事等であり、ボイラーメーカー、建設業者、配管専門業者、電気工事業者等によって担われます。
発注に当たっては、発注内容を理解し、適切な予算の確保をすることが必要です。発注はできるだけ安価にということになりますが、15年以上の長きにわたる事業であることを考慮すれば、必要な行為は適切に行われるように配慮しそのための経費負担は行うようにしていくことが重要です。
また、我が国においては、木質バイオマスボイラーシステムの設置は少なく、これらの業者の知見も限られている可能性が高くなります。そのため、業者における木質バイオマス熱利用に関わる業務に従事した実績等については把握しておくとともに、例えば、工事の発注では、基本設計、実施設計の内容の説明などを行い、業者間での連携にも配慮してもらうようにしておくことが必要です。
なお、ボイラーシステムについては関係法令の規制が関係しており、事前届け出等の手続きをもれなく行わなければなりません。
バイオマス設備導入に関する関連法規と届出先
・破砕処理施設:処理能力5t/日以上(産廃のみ)
法規 | 提出書類 | 届出先 | 期日 | 備考・規制項目 |
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大気汚染防止法 | ばい煙発生施設 設置届出書 | 都道府県出先機関 環境部局 | 当該施設の設置工事 開始60日前までに提出 | バイオマス機器の場合、工事前に届出先への事前相談が望ましい |
消防法 | 消防用設備等 設置届出書 | 各地域の所管消防署 | 設置完了後4日以内 | 指定可燃物の貯留10m3以上の設備 |
各市町村・火災予防条例 | 給湯湯沸設備 設置届出書 | 各地域の消防署等 | 個別に確認が必要 | 所管の消防署へ問い合わせ |
廃棄物の処理及び清掃に関する法律 | 廃棄物収集運搬業、処分業許可(一廃、産廃) | 一廃:市町村⻑ 産廃:都道府県知事 | 廃棄物を無償で引き取り処理する場合に該当する | |
産業廃棄物処理施設の設置許可(一廃、産廃) | 都道府県知事 相談窓口: 都道府県、地方公共団体 | 焼却施設:処理能力200kg/日以上又は火格子面積2m2以上 | ||
生活環境影響調査・手続き | 廃棄物処理施設に該当する場合 | |||
労働安全衛生法 | ボイラー設置届出 | 各地域の労働基準監督署 | 設置工事の開始30日前まで | 法律上のボイラーに該当するか否か判断 該当しない場合は届出不要 |
建築基準法 | 建築確認申請 | 各地方公共団体建築主事 | 工事着工前に「確認申請書」を申請 | |
騒音規制法 | 特定施設の設置届出 | 市町村⻑ | 設置工事の開始30日前まで | 原動機の定格出力が7.5kW以上の施設 |
振動規制法 | 特定施設の設置届出 | 市町村⻑ | 設置工事の開始30日前まで | 原動機の定格出力が7.5kW以上の施設 |
肥料取締法(燃焼灰の肥料活用時) | 肥料販売業務開始届出書 | 都道府県出先機関 農業普及部局 | 販売事業開始の2週間前までに届出 | 専門機関による燃焼灰の成分分析とともに登録・届出を行う |