木質バイオマスエネルギー技術開発情報

林野庁の補助事業において、森林資源の持続的な活用を図る「地域内エコシステム」の構築に資する木質バイオマスのエネルギー利用システム(小規模な熱利用や熱電併給等)の普及に必要となる小規模な技術開発・改良、実証等が実施されています。

その中で、今後の木質バイオマス利用を進める上で活用できる成果も上がっていることが明らかになっていることから、情報プラットフォームの中で紹介します。これら技術開発事業のそれぞれの目的や課題を理解することにより、木質バイオマス利用に取り組む先人が、どのような問題意識をもって、事業円滑化のためにはどのような課題があるのかを理解してきたのかを知る上で、極めて有効な情報となるものと考えています。

林野庁の補助事業で実施した木質バイオマス利用に関する技術開発事業は、平成25年度から令和3年度までで59件のテーマを数えています。このうち、情報プラットフォームに掲載するテーマは、一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会が関与した平成26年度から令和3年度までの52件を前提とし、以下の考え方によって選定しました。

  1. 木質バイオマスエネルギー利用とは異なる木質バイオマスマテリアル利用事業は除外する。
  2. 横展開支援事業でのプラットフォーム事業が木質バイオマス熱利用の推進を第一義的に目標としていることに鑑み、発電のみを対象とした事業は除外する。

この結果、対象テーマは38事業となりました。

なお、単年度事業としてテーマの採択が行われていることから、継続事業として実施されるものもあり、各年度事業の目標、成果はそれぞれ設定されているものの共通の技術開発課題を継続的に実施しているものもあります。こうした観点に立って、各事業について課題ごとにまとめると、24課題に整理できます。

38事業について、実際に木質バイオマスエネルギー利用に取り組もうとする方々が、直感的に理解しやすい項目によって以下のようにジャンル分けしました。

Ⅰ 燃料材製造:既存の木質バイオマス燃料の品質の高度化、成分評価など
Ⅱ 燃料材乾燥:小規模木質バイオマスボイラーに必要な燃料材乾燥技術の開発など
Ⅲ 燃焼機器開発:低コスト、高効率なボイラー、ストーブの開発、製造など
Ⅳ 熱電併給:小型ボイラーによる高能率熱電併給の開発など
Ⅴ システム開発:ハードからソフトまでの高能率システム、機器の開発など
Ⅵ 副産物活用:燃焼灰の成分調整による肥料化の実証など

ジャンルごとの事業数、課題数は以下のとおりです。

ジャンル別技術開発件数、課題数

ジャンル事業数課題数
Ⅰ 燃料材製造85
Ⅱ 燃料材乾燥117
Ⅲ 燃焼機器開発83
Ⅳ 熱電併給33
Ⅴ システム開発55
Ⅵ 副産物活用31
合計3824

これらの事業について、情報プラットフォームにおいては、利用者が技術開発内容をイメージしやすくするために、課題を単位として取りまとめ、各事業について事業名以外の端的なキーワードを2語ずつ付しています。

また、各事業について、以下の評価方法によって事業成果の評価を行った結果を記載しています。

技術開発・実証事業における開発目標の達成度の評価軸

さらに、各事業について、実施主体が作成した事業概要について添付することにより、当該技術開発事業の内容が理解できるようにしています。

ジャンルごとの詳細は、以下からご確認ください。

技術開発事業の内容